世界遺産「富岡製糸場」のまちから ブリュナエンジン復元!

世界遺産「富岡製糸場」の創業時の動力源にして、現存する日本最古の蒸気機関「ブリュナエンジン」が復元された。

物語は富岡製糸場が世界遺産登録される前、群馬県富岡市の工業人が博物館明治村(愛知県犬山市)に所蔵されているブリュナエンジンの存在を知ったことから始まる。

「工業界のシンボルに」「ものづくりの大切さを伝えたい」。

男たちの情熱は、地元経済界や行政を動かし、復元機は富岡製糸場が世界遺産登録された翌年の2015年に完成した。

現在、富岡製糸場で動態展示されている。世界遺産のまちの工業人が困難と思われながらも果敢に挑み、3年半をかけて完成させたプロジェクトの全貌を余すところなく紹介。ものづくりの力は、誇りを生み、未来をひらく―。

識者の寄稿、関係者座談会、上毛新聞掲載記事のほか、中部産業遺産研究会による詳細な研究報告書も収録した。

群馬の美術130年

新聞記事からたどる群馬の地域美術史。

群馬県立近代美術館で長く学芸員を務めた著者が、明治から平成まで130年間の上毛新聞を読み解き、時代ごとに35のトピックスにまとめた。

山口薫や福沢一郎ら群馬を代表する著名美術家に加え、1960年代を代表する前衛美術家集団「群馬NOMOグループ」の活動など、群馬美術界の動きを紹介している。

「この種の読み物はこれまでありませんでした。美術の歴史といえば、中央で起った出来事が中心で、群馬県という一地方の美術状況を語る試みはほとんど無かったのです。」(「あとがき」より)

執筆に当たってはデジタルアーカイブ「上毛新聞ライブラリー」を活用。連載「群馬の美術130年『上毛新聞ライブラリー』より」として2017年1~9月、35回にわたって上毛新聞に掲載された。

「21世紀銘仙」誕生

大正から昭和に女性の間で大流行した伊勢崎銘仙は、世界の名だたる美術館が収蔵するモダン着物の華。
〈絹の国〉群馬県で育まれた伝統の「併用絣」が「21世紀銘仙」として半世紀ぶりによみがえった。
職人たちと連携してプロジェクトを立ち上げ、途絶えていた技術を復活させた市民の取り組みは、織物の世界に新たな地平をひらく。
地域の自然や風景が織り込まれた、現代感覚あふれるデザイン。「21世紀銘仙」は、海外からも高い評価を受けている。
ボランティアで携わったテキスタイルデザイナー・須藤玲子さんやプロジェクト発起人へのインタビューなどから見えてくる―〈KIMONOの未来〉。

出会いのカタチ

2016年1月から6月までの間、上毛新聞紙上で5章60話と特集面を掲載した大型連載「出会いのカタチ」。 前年に連載した「現代弔い考 さよならのカタチ」に続き、多くの現代人が直面する身近な問題を題材としたシリーズの2作目として長期連載され、反響を呼んだ。
5人の取材班は、社会とともに変容する結婚とカップルの在り方について、1年近くにわたって多角的な取材を続けてきた。そこで感じたのは、従来の形式にとらわれない多様な結婚やカップルを、私たちが認めるべき時代が来ているのではないかということだ。結婚や夫婦の形は多くの場合、伝統的な価値観に縛られている。そして私たちはそれを常識ととらえ、その外にある結婚やカップルを異端視してしまいがちだ。
連載では取材対象者の声を丁寧に拾いながら、これらの常識や固定概念が、現代人の結婚の障壁となっていることを訴えてきた。結婚やカップルに関する問題は、現代人にとって普遍的な課題だ。だからこそ、取材に当たってはどこにでも存在する、一般の人々の声に耳を傾けることにこだわった。読者の周辺に暮らす人々の言葉を紹介することで、それぞれの問題の切実さや根深さを、よりリアルに伝えたいと考えたからだ。各章は結婚の前に立ちはだかる課題をテーマに構成している。「~を超えて」のサブタイトルとともに、その課題の実態や現状を紹介し、それらの課題を乗り越えるヒントとなる取り組みや実践を探った。
取材班は半年間の連載を踏まえ、総括する特集面で五つの提言を公表。社会や私たちにどのような変化が必要なのかを示した。